江戸の世の色彩 ー浮世絵師 鈴木春信展ー
鈴木春信展に行ってきました。
その頃、浮世絵といえば、2.3色の版だったのが、春信の登場で多色刷りの技術革新が起きたのです。
私が春信の浮世絵に興味を持つのは、女性・男性の色っぽさ、絵の中に出てくる人物や物との構図バランスの素晴らしさ、そして、色彩の美しさです。
今から300年前の江戸の世は、現代のように多種多様な”色”は存在しません。
顔料も少なく、希少で、春信の浮世絵から見ても赤、緑が主流です。
黄色っぽい色も紙そのものの色を使用することも多かったようです。
春信は、そんな少ない色を巧みに且つ効果的に浮世絵の中に取り込み、
色や物を盛り込むことばかりが素敵ではないことを証明しています。
これらの浮世絵を見ていると、少ない色だからこそ、その色が光っている気がします。
この考え方、現代の私たちの生活にも活かせませんか?
例えば、自分のワードローブ。
大量の色が氾濫する現代の私たちに本当の”粋”を教えてくれいるようです。